チームの結果や成果が安定しない。
うまく行かなくなると、たちまちチームの行動が鈍る、、、。

このような不安定な結果や行動のブレには、
「感情のブレ」が影響していることが、多くの研究で分かっています。

今回は、「感情のブレ」を引き起こしやすい、危険な思考を2つご紹介します。

「◯×」思考

「マルバツ思考」とは、物事や人を○(マル)か×(バツ)で判断する思考です。
この思考を心理学では、『非合理的思考』(irrational belief)と呼びます。

非合理的思考(非論理的思考)は、
『自動思考』とも呼ばれ、反射的かつ自動的に、
「自分で自分を苦しめる考え方」にもつながります。

実は、「試合に絶対勝つよ。」という思考も、
非合理的思考(非論理的思考)に当たります。

試合に、絶対に勝つという保証はありませんよね。

「負けることもある」という余白を持っていると、
肩の力みが抜け、行動に目を向けることが可能です。

オリンピックでメダルを獲得できるのは、ほんの一握り。
出場した選手のほとんどは、メダルを取れませんよね。

負けることも許容できる思考を持っていると、
実際に負けた後でも、
そのたびにエネルギーを落とすことなく、
早く切り替えて、次に向かうことが可能になります。

逆に、負けるということを許容できる思考がないと、
実際に負けた後に、
大きなエネルギーを消費し、
切り替えることが十分にできず、
次の試合までに引きずってしまう。
切り替えられないまま試合にのぞめば、
当然また負けてしまうという悪循環に陥るわけです。

プレーひとつにおいても同じことが言えます。

サッカーやバスケット、野球。
当然、絶対に打つ!決める!と思ってボールを打つと思いますが、
「外すこともある」
「打てないこともある」
ということを理解出来てると、
外れた事実や打てなかった事実を受け入れることができ、
感情をコントロールできます。

人は、想定外のことが起こると、
認知するまでに行動が止まります。

外れた時や打てなかった時を想定していなければ、
その衝撃、ショックも激しく、現実を受け入れることができず、
また次の場面でも同じことを繰り返すことにもなります。

「絶対に」「いつも」「必ず」「すべて」というような、
一見完璧主義で、理想とおもわれがちですが、
それらは『非合理的思考』で、
次の行動を制限してしまう危険もあるので、

「言葉の選択」に、気をつけた思考づくりをおすすめします。

 

「期待」思考

「期待する」ということも、
『非合理的思考』の分類に入ります。

実は、「期待する」というのは、
うまくいくことだけを期待しており、
失敗は許されないという感情を生む原因になると言われています。

指導者や親が、
選手や子どもに腹をたてるのは、
実は期待していることからくるということなんです。

期待に添えなかったとき、
選手は、コーチの期待を「裏切った」気持ちにもなります。
コーチは、選手から「裏切られた」気持ちになります。

そんな時は、
「信じるてるよ」という言葉がおすすめです。

よく欧米の方が、最後に「グッドラック!」と言うアレです。